Live Report 2015

7/11 sat

Opening Act Sleepyhead Jaimie

好天に恵まれ、午前中から暑いぐらいの日差しがまぶしい今年のROKKO SUN MUSIC。シートを広げながら「晴れたね」「でもカッパは持ってきた」なんて会話も聞こえる中、初日のOpening Act、Sleepyhead Jaimieが登場。
現在キャンピングカーで全国を旅しながら各地でグッドミュージックを鳴らしている、すわだいすけ(g&vo)&伊澤ゆく(b&cho)による男女2人組。爽やかな青空と、カントリーやブルース、ソウルの滋養がぎゅっと詰まった彼らの歌は相性抜群。
「旅も大好きで歌うことも大好きで、ハンバーガーも大好き!一緒に歌ってみませんか?」(だいすけ)と呼びかけた『Hamburger Song』では、手拍子しながら一緒に「ケチャップ&マスタード~♪」と口ずさむ人がたくさん。曲間のMCも、ギターをつま弾きながらまるで歌を歌うように話す彼は、幼少期をアメリカで過ごしたという。相方のゆくは、ベーシストとしてGAKU-MCなどのサポートも務めていた。
“フリーダム”と“自由”を掛け合わせたユニークな『自由ダム』に続き、「素晴らしい2日間のスタートを飾る事が出来て嬉しいです!」との言葉とともにラストの『Sentimental Journey Again』へ。「ハローの数だけグッバイして」と歌詞にある通り、彼らの旅はまだまだ続いてゆく。

M1 Sunnyday Girl
M2 Hamburger Song
M3 Recipe of Love
M4 自由ダム
M5 Sentimental Journey Again

D.W.ニコルズ

ステージにメンバーが現れ、サウンドチェックをしている最中にもどんどん人が前に集まって来る。「ちょっと早いけど始めるね。おはよー!」と威勢のいいわたなべだいすけ(vo&g)の声を合図に『おはようグッドモーニング』からスタート。続く『春風』のイントロが聴こえると、大きな歓声と拍手が広がる。
ROKKO SUN MUSIC初出場のD.W.ニコルズは今年で結成10周年。彼らの歌はどんな場所でも、朝昼夜いつ聴いてもその気持ちよさは変わらないけれど、今日のような快晴の野外で聴く心地よさは格別だ。10年間、そんな魔法のメロディーを奏で続けてきた。「ずっと出たかったフェスに出られた気持ちがどんなのかわかる?めっちゃ嬉しい!みんな、こんな楽しいことを毎年やってたの?(笑)」と言い、“焼き立て!”コールとゆるーいエクササイズのようなダンスも楽しい『フランスパンのうた』をみんなで踊る。
最後の『グッデイ』では、わたなべがステージを下りスタンディングゾーンへ。マイクを向けられた子供があどけない声で「明日は今日よりもグッデイ~♪」と見事に歌ったのはあっぱれ!「また来年も会いましょう!」と気の早い約束の言葉を残して4人は笑顔でステージを後にした。

M1 おはようグッドモーニング
M2 春風
M3 スマイル
M4 フランスパンのうた
M5 LIFE
M6 グッデイ

YOSSY LITTLE NOISE WEAVER

「今日は、決してアゲない、しっとりと楽しんで頂ける曲をやります(笑)」と、軽くジャブを打つようなYOSSYユニークなMCでYLNWのステージが始まった。ファッションショーの音楽を手掛けていたり、ハナレグミやCaravanのサポートメンバーとして作品やライブに登場することも多い彼ら。今日はYOSSY(key&vo)とicchie(tp)の2人に、フルート、トロンボーン他が加わった5人編成。
タイトル通りハネるような曲調と歌が楽しい『SUPER RABBIT』、浮遊感のある演奏と、軽やかだけれど地に足の着いたYOSSYの歌の絡まり方が絶妙なロックステディ『THESE FOOLISH THINGS』。ジャズ、ソウル、ポップスetc.いろんな入口を持った彼らの曲は心地よく体を揺らして楽しむこともできるし、じっくりと曲に沈み込む聴き方もできる。最初のMCとは裏腹に、聴き入るうちにこちらの体温はじんわりとアガッていく。
「ずっと英語で歌ってきたけど、最近日本語詞で曲を作りました」と披露したラストの『コトバひとつ』は、静謐でありながら聴き手をグッと惹きこむ力のある曲。昼下がりのひとときに涼しげな時間をプレゼントしてくれた。

M1 PALE ORANEGE
M2 WASHING MACHINE BLUES
M3 SUPER RABBIT
M4 IN MY POCKET
M5 THESE FOOLISH THINGS
M6 コトバひとつ

Predawn

小さな体に大きなギターを抱えたPredawnが現れ、「こんにちは」という短い挨拶とともにライブが始まった。透明なギターの音が会場の緑に溶け込み、ふわりと心地よい時間の始まりを告げる。トリオ編成やストリングスやフルートなどを入れた6人編成など、時と場所により様々な形態のライブを見せてくれるけれど、ROKKO SUNでのPredawnはソロだ。
『Suddenly』『露草』と続き、MCでは「紫陽花がとってもきれいですね。今日はすごく久しぶりのライブで…でも自分は日に焼けてるっていう。遊んでました(笑)」と思わぬ告白。前回、2012年に出演した時は、一面の霧で自分の足元も手元も見えないぐらいだったと話し、「今日は霧が濃くならないように呪いをかけておきました。…感謝してもらってもいいですよ(笑)」と笑わせて、『Keep Silence』へ。
ささやくような歌声もメロディーも、誰にも内緒の大切な宝物をそっと見せてもらっているような、特別な感触。歌とギターという最小の構成でありながら、どこまでも届いていけるような大きくて深い歌を聴かせてくれた。最後の『Over the Rainbow』では、間奏の口笛が途切れ苦笑いする様子に、温かな歓声が広がる一幕も。それもまた彼女らしい。

M1 Skipping Ticks
M2 Suddenly
M3 霞草
M4 Autumn Moon
M5 Universal Mind
M6 Keep Silence
M7 Don't Break My Heart
M8 キャンバスシューズ
M9 Over the Rainbow

Keishi Tanaka

YLNW、predawnとアコースティック編成が続いた後のステージに、たくさんの楽器がセッティングされていく。主役の登場を待つ人たちでステージ前がにぎわっていく中、マイクを手にしたKeishiは「サウンドチェックも聴いて楽しんでくださーい」と呼びかけ笑いを誘う。
オープニングの『秘密の森』、そして『Wonderful Seasons』と心も弾むような曲が続けば、シートゾーンからステージ前に向かって駆け出す人が続々と。さっきまで薄く曇っていた空に夏の日差しが戻ってきたのは、どこまでも突き抜けていくようなカラリとしたKeishiの歌声が雲を吹き飛ばしたからに違いない。青天のもとで聴く『Foggy Mountain』もいい。
「去年は霧で何も見えなかったけど、今日はみんなのいい顔がよく見えます。前で踊ってる人、正解!後ろで座って楽しんでる人、正解!」と言い、ラストの『Floatin’ Groove』ではステージを下りてお客さんの中をずんずん進んで行く。そうしているうちにKeishiを中心に輪ができ、みんなが歌い、踊る。目に映るのは笑顔、笑顔、笑顔ばかりのその光景は、観ているだけで幸せな気持ちでいっぱいになった。

M1 秘密の森
M2 Wonderful Seasons
M3 素敵な影の結末
M4 The Day You Do Nothing
M5 Foggy Mountain
M6 Crybaby's Girl
M7 Floatin' Groove

ハンバート ハンバート

SEのフレンチポップが流れる中、どんどんお客さんがステージ前に集まっていく。これまでROKKO SUNでは雨知らず、霧知らずの晴れたことしかない奇跡の2人組のステージが、「ハンバートハンバートだよー!」の挨拶とともにCMでおなじみの『いついつまでも』ミサワホームCMバージョンで始まった。「夏のSALEがもうやってるね。行った?」(佐野)といつもながらのトークが聞けると、何故か彼らの歌を聴いた時と同じように安心してしまう。
『おなじ話』が発売されてから今年で10年。いつ聴いても懐かしくて、毎回新しい。日々の暮らしの匂いを持った、とてもたおやかな2人の歌声は、まっすぐにやわらかく広がっていく。
『アルプス一万尺』では佐野がステージを下りて、あっちこっちでお客さんと「アルプス一万尺」の手遊びを楽しむ。歩きながらとうとう、ステージから遠く離れたシートゾーンまでやってきて「男の人も結構うまいねぇ!」と言いながらここでも御手合せ。陽気で呑気な『おいらの船』が、曲が進むにつれボーカルがラップになったり、2人の輪唱になったりとくるくる表情を変える。“フェスのセットリスト=グレイテストヒッツ”ではなく、今日ここでしか聴けないものを今年も味あわせてくれた。

M1 いついつまでも
M2 生活の柄
M3 おなじ話
M4 ぼくのお日さま
M5 ホンマツテントウ虫
M6 アルプス一万尺
M7 アセロラ体操のうた
M8 おいらの船

Caravan

朝からずっと晴れ渡っていた空が、Caravanの登場を待っていたかのようにどこからともなく灰色がかってきた。「今日は(霧がないから)良く見えるね。毎年来てるけど、こういう場所だったんだね(笑)」とさすが皆勤賞、中止も荒天も知り尽くしている当フェスのドン(?)らしい一言。が、オープニングの『Good Morning』が終わる頃には霧が広がり始め、「やっぱりこうでなきゃ!(笑)」と。客席にも大きな歓声と笑いが広がる。
山の斜面を滑るように霧が降りかかってくる光景は息をのむほど幻想的で、そんな見たこともないロケーションの中で聴くCaravanは“最高!”という以外、何と言えばいいだろう?ギターの音にさまざまな楽器が重なっていき、セッションのように曲が始まっていく『ハミングバード』。歌っている時以外は、ギターを弾きまくり動きまくるCaravanは、ほんのわずかの間もセンターに立っていない。「あともう少しだから、後ろにいる人たちももっと前においでよ」と声をかけ、最新アルバムより『アイトウレイ』を力強く軽快に。
一旦ステージを後にしたものの、アンコールに応えて再び登場。両手を上げて迎える客席を見渡し「今、日本中でいろんなフェスがあって趣旨がよくわかんないのもあるけど、ROKKO SUNの手作り感と初回が中止になっちゃったってところから始まってる、この感じがいいんだよ。母性本能をくすぐるよね(笑)」と語る。
「~♪誰かが誰かを思うその瞬間に 世界は変わる」と歌う『その瞬間』は、まっすぐで力強いプロテストソングでありラブソング。最後は『ハレルヤ』を歌い、「また来年もここで逢いましょう!」と固い約束を交わし、初日のステージは幕を下ろした。Caravanが言った通り、誰の日常にもいろいろな事があるけれど、また来年ここで会うまで旅を続けよう。

M1 Good morning
M2 Trippin'life
M3 ハミングバード
M4 アイトウレイ
M5 サンディアゴの道
Enc1 その瞬間
Enc2 ハレルヤ

クロージングDJ 竹内琢也

…と、ここで終わらないのがROKKO SUN MUSICが他のフェスとは一味違うところ。クロージングDJは昨年に続き、おなじみFM802の竹内琢也。
タイマーズの『デイドリームビリーバー』が爆音で響き渡る中、「まだ終わってないよ~!最後まで楽しんで行ってね~!」の声にヒューヒューと歓声が飛ぶ。荷物を片付けながら体を揺らす人、出口へ歩きながらDJに手を振る子供達もいれば、くるりの『ワンダーフォーゲル』に歓喜しながらシートゾーンの斜面をダッシュしてくる人。霧で冷えてきた体を温めるようにステージ前でジャンプしながら踊り倒す人々も。ROKKO SUNの楽しみ方を知り尽くしたお客さん達は本当に素晴らしい。さらにandymori、SPECIAL OTHERSと続く1曲入魂の連打といえるど真ん中命中の選曲も最高!
さぁて明日もこのまま晴れるかな?!

7/12 sun

Opening Act 酒井ヒロキ

もしや今年は2日間とも晴れ?!ROKKO SUN MUSICが2DAYSになって初の快挙?と気もはやる中、今年もギターを片手にこの男がやってきた。酒井ヒロキ。フロム十三。
おなじみの非公式テーマソング「~♪ROKKO SUN~」を聴かなきゃやっぱり何か物足りない。夏の暑さと気だるさに、ほんの少しの寂しさが同居した『Golden Fruits』を歌い終えると、「毎年こうやって出ているんですけど、今年は晴れましたねぇ!…と言いつつ縁起でもない歌を歌います。これでもし雨が降ったら苦情はWEBまで(笑)」と言いながら『雨傘』を披露。ステージの上空には、まるで彼の歌を聴いているように、小さな雲がじっと動かないままそこにいる。続く『Down to the South』では、楽しく軽快なテンポに乗せ「~♪本当のことはいつも胸の中に変わらずにいるのさ」とサラリと本音を聴かせる。
彼の歌には、朝昼夜を繰り返す毎日の生活の中から生まれた人間の匂いがある。最後は「ありがとうございました!ROKKO SUN MUSIC始まりま~す!」と、2日目の開幕を爽やかに高らかに告げ、オープニングアクトを務めあげた。

M1 約束の場所
M2 Golden Fruits
M3 雨傘
M4 手と手
M5 Down to the South
M6 ドリーマーズソング

山岸竜之介

2012年に出場した時と同様、韻シストのTAKU(G)を迎え2人でステージに登場した山岸竜之介。赤いギターを手にまず歌い始めたのは、ブルージーにアレンジしたスピッツの『空も飛べるはず』!
天才ギター少年と呼ばれた竜之介も、すでにイイ男の仲間入り。歌はもちろん、愛嬌あふれるギターソロもいい。真昼の輝くような太陽の下、2人が繰り広げるセッションは要所、要所にスパイスが効いていて、これは間違いなくアルコールが美味しくなる音楽!と思ったところへ、「竜之介は16歳で高校生になったばかりだからお酒は呑めないけど、みんなは竜之介の分もアルコール摂取する勢いで!(笑)」(TAKU)とのMCが。韻シストの数ある名曲の中で特に好きだという『dear』を竜之介が歌えば、TAKUは、関西が生んだジャズレジェンドの故・西山満氏に捧げた韻シストの『Big N』を聴かせてくれた。
最後に竜之介は、「僕が言うのもナンですけど、生きてたら辛いこともイヤなこともたくさんあって、でもそんな時に僕らの歌とか今日みたいなライブイベントが皆さんの励みになれたら嬉しいです」と話し、『おとぎ話』を。ムッシュかまやつ、KenKenとのバンド、LIFE IS GROOVEのバンドロゴをあしらったTシャツもとても似合っていた。

M1 空も飛べるはず
M2 ヒーロー
M3 INST
M4 VO.TAKU
M5 dear
M6 おとぎ話

LITE

サウンドチェックで演奏を聴いている時、一瞬ここが六甲山であることを忘れてしまった。それぐらいLITEの演奏はここではない異空感をビシバシ放っていた。
ROKKO SUN MUSIC初出場となる4人組インストロック・バンドのステージは、「もうやっちゃうよ?」の武田信幸(g)の言葉を合図に『Ef』でスタート。真昼の空に突き刺さるような重量級のプレイに、会場全体があっという間に呑み込まれていく。スタンディングゾーンで声を上げるお客さん達は一瞬にして沸点に到達した模様。
まるで歌えそうなメロディーの『Echolocation』は、陰影に富んだギターの表情も聴きごたえがある。あまりに振り切れた爆音プレイに周囲を気遣ってか、「大丈夫かな。子供、泣いてないかな?」とMCしながらも、続く『Bond』は一段と力を増した演奏が響き渡る。小刻みで幾何学的なリズムが爆音で鳴らされる様は、痛快でしかない。
体をSの字に折り曲げるようにギターを弾き倒す武田。ベースの井澤はまるで人を射抜くような尋常ではない熱量で音を発し、ドラムの山本は時折立ち上がってこちらを煽る。最後は楠本のシンセが炸裂する『100 Million Rainbows』。音に酔い、音に突き動かされた至福のひとときだった。

M1 Ef
M2 Image Game
M3 Echolocation
M4 Bond
M5 Pirates and Parakeets
M6 Infinite Mirror
M7 100 Million Rainbows

天才バンド

ドラムのテシマコージが最初に現れ、続いて他の2人が登場するかと思いきや「(Sundayカミデ&奇妙礼太郎が)裏でキャッチボールしてる(笑)」と。夏の午後らしい穏やかな笑いが広がったその次の瞬間、『DANCE MUSIC FOR ME』の始まりとともにユルやかな空気は吹っ飛んだ。ドラムも鍵盤もギターも、歌も、すさまじい熱を放出しながら鳴り、響き渡る。なんだか居ても立ってもいられない気分で、それならステージに向かって走るしかない。あまりの暑さに奇妙が「六甲山ー!」と言い、観客が「溶けちゃうよー!」と返すコール&レスポンスが誕生。
そんなふにゃっとした空気も、曲が始まればピリッと引き締まる。青い青い空に涙のようなしょっぱい歌声が沁み入る『天王寺ガール』。『LOVE STORY』のブレイクでおもむろに奇妙がカミデに話しかけ、「僕は昔、奈良の生駒山上遊園地でバイトしてた時、ソフトクリームをぐるぐる巻いてました」と言えば、「あの奇妙君、『LOVE STORY』がまだ終わってないんで、歌もソフトクリームも巻いてもらっていいですか(笑)?」(カミデ)と見事なハンドルさばき。
ラストにブチ上げた、笑えるけど切なくて切ないけど笑える『ロックンロールベイベー』は、何度聴いても「またもう一度聴きたい」と思ってしまう曲。何かヤバいもんでも仕込んであるのかな?(笑)。

M1 DANCE MUSIC FOR ME
M2 天王寺ガール
M3 平和to the People
M4 LOVESTORY
M5 ロッケンロールベイベー

JOHNSONS MOTORCAR

サウンドチェックを終え、一旦ステージを去る際にマーティン(フィドル、vo)が、「JOHNSONS MOTORCARハ、スワッテ観るバンドじゃナイよ~」と客席に声をかけ、それに応えるように休憩を終えた人たちがステージ前に集まり始める。
メンバーはスコットランド系アメリカ人にオーストラリア、アイルランド、そして紅一点のドラマー、RINAMAMEは日本人と顔ぶれもにぎやかだが演奏はさらににぎやか。そして熱い!アイリッシュトラッドにロックやパンクをぶち込み、そこに日本のメロディーも加えて思いっきりシェイクしたような、大人も子供も躍りだしたくなる曲ばかりのオンパレード。会場が巨大なアイリッシュパブになったような、文字通り呑めや歌えや踊れやの大騒ぎだ。
そんな楽しさとともに、『27years』の間奏ではRINAMAMEの真顔のモノローグが聴こえてくる。後半、「案外寂しい歌なんだけどね」と言って披露した『war and peace』。大きな体で時にダイナミックに、時に繊細にフィドルを奏でるマーティンは日本での生活も長く、「しゃべっていてあんまり時間が押すとアレなんで(苦笑)」と言いながら次々に曲を繰り出す。
輪になって踊り出す人や、肩を組みながら声を上げる人たちに混じって、肩車された子供のキャッキャとはしゃぐ姿がとても印象的だった。

M1 New Song
M2 You are We are
M3 27years
M4 Athol Highlanders
M5 The Gangster Ball
M6 Open Season
M7 War and Peace
M8 Johny
M9 Beggurman

Sawagi

「晴れましたね。いい景色」(ベース、雲丹亀卓人)と満面の笑みでスタートしたSawagi。『horoscope』から『imbalance』『light』の流れは、火照った体をクールダウンさせるような心地よさで、ゆっくりとテンションを上げていくよう。真っ昼間であることを忘れさせる涼しさと、目を閉じたら満点の星が見えそうな世界観を作りあげるそのプレイに思わず万歳!
「東京はずっと雨続きで、今日も雨が降るかと思って(苦笑)すごいしっとりした曲を選んできました。…でも名前はSawagiです(笑)」(ニコ)と、笑いを誘うMCの間もコイチ(key)が小粋な演奏を聴かせ、そこからの『motor pool is not dead』!
今年の初め、彼らは日本人アーティストとしては長期では初の南アフリカツアーを行い、大成功に終えた。アウェイの地である南アフリカで、しかもインスト曲ながら大合唱が起きたというこの曲は、やはりアガる。
雲丹亀は最後、ベースも弾かず高々とピースサインを掲げながらお客さんを眺めている。最後の『Trophy』では、観音(g)がステージ前方ぎりぎりまでせり出てまるで暴走寸前のプレイ。それまで静かに、でもフツフツとたぎりつつあったお客さん達もスイッチが入ったかのように大騒ぎで応える。約30分間一本勝負のフェスで、またしても彼らは大きな勝利を収めた。

M1 horoscope
M2 imbalance
M3 light
M4 Thonis
M5 motor pool is not dead
M6 Trophy

bonobos

17時を過ぎてもまだまだ暑い今日の六甲山。2日間のラストを飾るのは、待ってましたbonobos!誰もが踊る準備も、歌う用意も出来ているところへ聴こえてきたのは、軽快なスカの『うつくしいなまえ』。後ろで踊っていた人も、ステージに向かって走る走る。続く『ICON』の鍵盤はとにかくグルーヴィー!「パーッパパパパ~」のコーラスはもちろん手拍子しながら。キラキラしたダンスチューンの『グッドモーニング・マイ・ユニコーン』を歌い終えると、「みんな楽しんでますか?今年は見事な晴れでよかった!」「新曲やります!」と『うつくしいひとたち』を。
長年共に活動してきた辻凡人が6月で脱退、まさにこの7月から現在の5人体制によるライブが始まったばかりの彼ら。かつてのメンバーとの別れや新しい仲間との出会いと、それだけじゃないたくさんのさよならや悦びを抱きしめるように歌う蔡忠浩の歌声は、とても美しくて力にあふれている。
「最後の歌です」と紹介した『あなたは太陽』は、まるで童謡のような懐かしいメロディーに乗せた、大きな景色を見せてくれる曲。それがレゲエになり、マーチになり、と変幻自在だ。バンドは動き続けていたから“復活”というのは語弊があるかもしれないけれど、新しい力を得たbonobosの晴れやかなスタートを目撃し体験した気分に胸がいっぱい。もう少しだけ聴きたい、という声が混ざったアンコールに応えて再び登場し、鍵盤に導かれて『あの言葉、あの光』をしっとりと。そして本当に最後に『GOLD』。どアタマをミスしてアハハハ!と大笑いし、もう一回やり直したのも貴重なサプライズだ。「また来年も逢おう!」の言葉を残して去っていく後ろ姿に、拍手はまだまだ続いていた。

M1 うつくしいなまえ
M2 ICON
M3 グッドモーニング•マイ•ユニコーン
M4 うつくしいひとたち
M5 あなたは太陽
Enc1 GOLD

クロージングDJ 平野聡

いよいよROKKO SUN MUSIC 2015も終わりが近づき、今年もFM802の平野聡がクロージングDJで登場。「家に帰ってもまだ寝ないでしょ?(笑)だったら遊んで行こうよ!」と、ハナレグミの『オリビアを聴きながら』、中村一義『キャノンボール』と次々に投下される曲に歓喜の声が飛び交う中、「こんなに踊ったの久しぶり!」という声も聞こえてきた。最後の最後、Chara×韻シストの『I don’t know』が聴こえはじめた頃、名残を惜しむようにポツリポツリと雨が降り出した。
終わってみれば、ROKKO SUN MUSICの前週も翌週も、台風の影響でこの地域の天気は大荒れ。山の神と音楽の神のどちらもが微笑み、好天に恵まれた奇跡のような2日間。ケーブルカーやロープウェーで辿り着く会場にステージは一つで、最初から最後まで全アクトが楽しめるちょうどいいサイズ感。気まぐれなお天気も含め、このフェスでしか出会えないものを楽しむために、来年もまたここで逢いましょう!

text by 梶原有紀子  photo by 渡邉 一生

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