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the chef cooks me

「こんなに晴れたROKKO SUN MUSIC、初めてちゃう?!」という声があちらこちらから聞こえるぐらい開場、開演から最後のクロージングDJまで、一滴の雨も降らず汗ばむほどの快晴の空のもとで繰り広げられた「ROKKO SUN MUSIC 2014」初日の7月12日(土)。

トップを切ってステージに現れたのは、今年初出場のthe chef cooks me。白と黒のタテジマ衣装に身を包んだホーンやコーラスを含む総勢9名の鳴らすハッピーな音に引き寄せられるように、後方のシートゾーンからステージ前へ向かって走り出す人の姿も。夕暮れ時に聴いたらギュッと切なくなってしまいそうな歌心あふれる『ハローアンセム』が、爽やかに、軽やかに青空に吸い込まれるように響き渡る。『環状線は僕らをのせて』では「~ぐるぐるまわる~ROKKO MOUNTAIN♪」とこの日ならではの粋な歌詞に。「数日前の台風がウソのようですね。自分は雨っぽい人間だと思ってたんだけど(笑)」(下村亮介)って、雨っぽい人間とは果たしてどんなん?(笑)。「すっげー晴れてるけど土砂降りの新曲をやります(笑)」と披露した『PAINT IT BLUE!!』の一気に駆け出すような疾走感に胸が高鳴る。カントリーやスカ、パンクがでっかいボウルの中で混ざって飛び跳ねているような最後の『song of sick』では下村がステージを降り、「everybody singin’!」と声を上げる。「山と音楽っていいね!“山と音楽”して帰って下さい!」との言葉とともに最高の一日のスタートを飾ってくれた。

M1 ゴールデン・ターゲット
M2 ハローアンセム
M3 四季に歌えば
M4 環状線は僕らをのせて
M5 PAINT IT BLUE!!
M6 適当な闇
M7 song of sick

YOUR SONG IS GOOD

続くユアソンを待つお客さんが少しずつステージ前に集まり、サウンドチェックを聴いているだけで体がスウィングし始める。メンバーはそのままステージを下りることなく、JxJxの「じゃあYOUR SONG IS GOODはじめまーす。曲が長いからノンストップで行きまーす。しゃべるヒマもないと思うんでー!」の声をきっかけに六甲山にゴキゲンな爆音が鳴り響く。1曲目は『Changa Changa』だ!ホーンのキレ味は鋭く、パパに肩車された子供も両手をバンザイしてノリノリだ。『熱帯BOY』ではJxJxがマイクを手にステージ前、ギリギリのところまでやってきて「Ah-ha!」の掛け声。狂熱のビートに合わせて手拍子も躍り、音に乗るようにシャボン玉が風に舞う。このまま青空の下のダンスパーティーが続けばいいのに…!と思った時、一瞬のブレイクの後に「っつーわけで、次が最後の曲です!『The Cosmos』!」。スペイシーな鍵盤とファットなアフリカンビートが超特盛のユアソンならではなダンスチューンに、フード屋台にいるお姉さんも体を揺らす。山の神とユアソンの音楽に宿った神はきっと相思相愛に違いない。「この後はハンバート ハンバート!最高のライブをしてくれるでしょう!」と残し、ユアソンとのハッピーなひとときはジ・エンド。

M1 Changa Changa
M2 熱帯BOY
M3 Pineapple Power
M4 Re-search
M5 The Cosmos

ハンバート ハンバート

2組続いた大所帯バンドの楽器や機材がきれいに片づけられ、がらんとしたステージにハンバート ハンバートの2人が現れた。佐藤良成の手にはギター。佐藤遊穂の手にはハーモニカ。そして2人のとびっきりの歌声で1曲目はボブ・ディランの『Blowin' In The Wind』。……それが気づいたら曲の途中から吉田拓郎の『結婚しようよ』に変わっちゃう。水道の蛇口、洗濯物、といったいつもの暮らしの中にあるものたちが、彼らの歌にはさりげなく在る。『ぶらんぶらん』も『ぼくのお日さま』も、まるで生と死がちょこんと相席しているかのような歌。だから、聴いていると自分がここで生きていることを強く実感する。Eテレの子供番組に提供した『ホンマツテントウ虫』はピリッと大人の味を効かせたショートバージョンで。ラストには同じくEテレの「おかあさんといっしょ」に提供した『ポンヌフのたまご』を。軽快なギターに、太く滑らかで張りのある歌声。その歌に呼ばれるように、「ちょっとまえにいってくるわ!」と近くにいた子供がニコニコしながらステージに向かって駆けていった。彼らの歌はきっと、どんな場所で鳴っていても、そこにいる誰もの耳に心にちゃんと届くに違いない。生命力豊かなハンバートの歌の持つ力をあらためて知った。

M1 Blowin' In The Wind〜結婚しようよ
M2 ぶらんぶらん
M3 ぼくのお日さま
M4 おなじ話
M5ホンマツテントウ虫
M6 Shall we dance?
M7 国語
M8 オーイオイ
M9 ポンヌフのたまご

NONA REEVES

「天気も最高!ビールも美味い!夏が始まったで~!さぁ、気持ちよく踊る時間がきましたよー!」との西寺郷太(vo)の雄叫びに会場のあちこちからひときわ大きな歓声が上がる。ミラーボールの似合うノーナ・リーヴスのダンスチューンは、午後3時の真っ青な空の下でも大いにその威力を発揮。弾むような『POP TRAIN』、『夢の恋人』で気持ちよく揺れた後、「ワタクシ、10年ぶりにぐらいに曲を書きました!聴いていただけますか~?」と小松シゲル(Dr)が曲紹介した『Jr.』では、80`sテイストのギラギラなサウンドを背に小松→奥田健介(g)の順にラップ(上手い!)を畳みかける。堂島孝平やレキシなど他アーティストのサポートでも引く手あまたな2人が、ホームグラウンドであるノーナではこんな遊び心を炸裂させるからたまらない。そしてフロントマンの西寺はといえば「音楽のみならず今年は小説も出版しマルチに活躍しております(笑)」と饒舌が冴える。「3年連続で出させてもらってるけど、今回がいちばんお天気いいね!そんな今年のROKKO SUN MUSICに出演できて僕らは本当にラッキー・ガイです!」と、最後はゆったりとした横揺れが気持ちいい『Lucky Guy』を披露。夏っぽさ全開の完璧なパーティータイムだった。

M1 POP TRAIN
M2 夢の恋人
M3 Jr.
M4 パーティーは何処に?
M5 Love Alive
M6 Lucky guy

FRONTIER BACKYARD

黒いハットがよく似合うTGMXの「FRONTIER BACKYARDです、よろしくお願いします!」からライブがスタート。初めて彼らの音楽に触れる人でも、じっとしてなんていられない、踊り出したくなるグッドミュージック、グッドメロディーが勢いよく放たれる。TGMXの歌声はパキッと張りがあってのびやかで、何より聴く人をワクワクさせる何かがその声に潜んでいる。『pictures of the sun』で手を叩きながら歌う姿を見ているだけで楽しくなってくるから不思議だ。その横でTA‐1(key)はトビウオのように華麗なジャンプをキメる。「初めて観る方も多いと思いますが、僕らはこういう音楽をやってて今年10周年なんです」とのMCには惜しみない拍手が。『TWO』そして続く『HOPE』では会場もステージも豪快にタオルを振り回す。そして、「行けるところまで行ってみよう!」とTGMXがマイクを手にステージを下り、その後ろにはFBYのフラッグを手にした村田シゲの姿が続く。今日はthe chef cooks meを筆頭に3ステージに出演した彼がここでも重要な役割を(笑)。歩いて歩いて、とうとうステージを背に客席スペースの一番後ろまでTGMXがやって来て一言、「今まで下りたフロアで一番遠い!(笑)」。周囲のお客さんはもちろん大喜びで応える。知らない人とでも肩を組んで歌いたくなるような、FBYの音楽にあるさりげない温かさの一端を垣間見たような気がする。

M1 POP OF D
M2 picture of the sun
M3 missing piece
M4 I thank you in my mind
M5 I CANT LET MAKE HER
M6 TWO
M7 HOPE

THE MICETEETH

陽が落ちかけて、昼間の熱さが心地よい涼しさに変わりゆく時間。初日のトリを飾るのは、THE MICETEETH。2009年に解散した彼らが、再び動き出したらしい…という噂は耳にしていた。この日ステージに現れたのは、総勢8名、変わらないけど見た目ちょっと新しいTHE MICETEETH。挨拶なんてナシで、いつもの調子でゆったりと歌い出す。スカのリズムに、“わび”や“さび”といった和的な情趣や季節感をたたえた歌心がしっとりと炸裂する。まさに、オンリーワン。次松大助のユラユラ、ヒラヒラと儚げなボーカルは時に不安定だけれど、それが返って心地いい。『あいのけもの』『花の衣擦れ』を聴きながら、THE MICETEETHは実は黄昏時の空の下もしっくりと似合うバンドだったんだ、と認識を改める。そうして『レモンの花が咲いていた』、最後は『THE SKY BALL』を。ステージを後にするメンバーに「MICETEETH最っ高!」という声が飛び、また拍手が起きる。この次にまた彼らのステージを聴くのが楽しみでしょうがない。そんなワクワクした気持ちで初日は幕を下ろした。

M1 Butterfly Pussy
M2 One Small Humming To Big Pining (夜明けの小舟)
M3 あいのけもの
M4 花の衣擦れ
M5 ムーンリバー
M6 レモンの花が咲いていた
M7 THE SKY BALL

クロージングDJ

特に事前に告知もされずに現れたのがクロージングDJの竹内琢也(FM802)。ク ロージングDJは2010年のROKKO SUN以来となる。晴れていたのもあってお客さん もまだまだ元気が残っているのか、1曲目のSPECIAL OTHERSの「Wait for The Sun 」で盛り上がる。 EGO-WRAPPIN'の「GO ACTION」、東京スカパラダイスオーケストラ FEAT.ASIAN KUNG-FU GENERATION「Wake Up!」と続きクロージングといいつつ踊っているお客 さんはかなり多い(笑) 控え室と思われる丘の上の建物から出演者達がお客さんに手を振っている和やか な光景の中、小沢健二の「ラブリー」でROKKO SUN MUSIC 2014の1日目は幕を閉 じた。

7/12 text by 梶原有紀子  photo by 渡邉 一生
酒井ヒロキ

初日とは打って変わって、霧が立ちこめる六甲山。そう、こんな気まぐれな天候も『ROKKO SUN MUSIC』の楽しみのひとつだろう。そんな2日目のオープニングを飾ったのは酒井ヒロキだ。イベントでおなじみのメロディに乗せ「ROKKO SUN〜♪」と歌いながらステージに登場。1曲目『電線の見えない空』から、人肌の温度を宿したアコギが霧雨の会場をやさしく包んでいく。情感たっぷりの表情豊かなボーカルも、何とも心地よい。さらには焦燥感ある『Golden Fruits』、今日という日にぴったりの『雨男』を続けて披露。軽快な『Down to the South』では、手拍子で会場を見る間にひとつにしたかと思えば、『ドリーマーズ ソング』ではコール&レスポンスをお見舞い! 大きなシンガロングを雄大な六甲山の景色が受け止めてくれ、ふつふつとしたパワーがみなぎってくるようだ。ラスト『手と手』を包容力たっぷりに届けてくれ、朗らかなオープニングをもたらしてくれた。

M1 電線の見えない空
M2 Golden Fruits
M3 雨男
M4 Down to the South
M5 ドリーマーズソング
M6手と手

Keishi Tanaka

「これぐらい想定内でしょ!」と悪天候も物ともせず、余裕の表情でステージを駆け回るのは、Keishi Tanakaだ。まずはポジティブな手触りの『After Rain』で幕開けへ。まるで音のシャワーが降り注ぐような、きらめきに満ちたサウンドで会場を瞬時にトリコに! 続いてはライブ・アンセムのひとつ『Wonderful Seasons』を奏でるや、瑞々しいメロディでハンドクラップの嵐を巻き起こす。早くもクライマックス級の盛り上がりを見せる中、『Music Around Me』では、客席へ飛び込むKeishi。泥まみれでもお構いなしに踊るオーディエンスと共に、くしゃくしゃの笑顔をたたえハンドマイクで歌う姿は、何ともピースフルだ。さらには一編の物語を描き出すように『秘密の森』を。木々のざわめきや雨の雫も、彼にかかれば音楽の一部。一際やさしい歌声に、目を閉じて聴き入る客席の姿が実に印象的だ。ラスト『Let Me Know』まで、全8曲。聴かせ踊らせ、雨雲をも味方につけた軽快なステージングに圧倒されるひとときだった。

M1 After Rain
M2 Wonderful Seasons
M3 The Day You Do Nothing
M4 Music Around Me
M5秘密の森
M6 I've Never
M7 Humming
M8 Let Me Know

在日ファンク

昨年の『ROKKO SUN ~』にて、雷雨の中、壮絶な終幕を飾った在日ファンクが、今年は3番手にオン・ステージ。ハマケンこと浜野謙太(vo)がコンダクターばりにプレイヤーたちを指揮し、まずは開幕の合図『大イントロ』を。ビリビリ肌をふるわせる強靭なサウンドで、容赦なく煽っていく。さらには『断固すいません』『マルマルファンク』と、ブラック・ミュージックの先陣たちのエッセンスをたっぷり散りばめた濃厚ファンクを次々投下! 底抜けにクールで艶やかなプレイと、確信犯的にトボけた言葉の応酬で、笑いと熱気が見る間に会場を支配していく。「みんなイイ顔してるね!」(浜野)との言葉どおり、ギラギラしたオーディエンスの表情が何とも頼もしい。極彩色のサウンドの『根にもってます』、ジェイムス・ブラウンばりのキレキレのダンスで魅せる『段ボール肉まん』と一気に駆け抜ける中、ラスト『京都』でシメへ! 泥くさい生粋のファンク魂に会場がガッチリ一体となったステージは実に痛快。9月にはメジャーデビューも決定しただけに、在日ファンクのさらなる快進撃に期待がふくらむ時となった。

M1 大イントロ
M2 断固すいません
M3 マルマルファンク
M4 根にもってます
M5 ダンボール肉まん
M6 爆弾こわい
M7 京都

韻シスト

2MC+ギター+ベース+ドラムという、血の通ったステージングで圧倒するのは、 生HIP-HOPバンドのパイオニア・韻シスト。瑞々しいメロディの『Daily A Life 』、六甲山をクラブ空間にチェンジする『一丁あがり』と、シティライクかつ洒落たサウンドメイクで、会場中の熱視線を集める彼ら。「HIP HOPバンドがフェスに出られるのは光栄!」との言葉からも、今日という日への気合いを感じさせてくれる。続いて“Let's go down”=“ノっていこう”を合い言葉に『Set Off The Speaker』を。けだるいムードが何ともクールで、自然と生まれるコール&レスポンスも極上の心地よさだ。浮遊感に満ちた新鮮なHIP HOP体験は、韻シストと六甲山が生み出した音楽のマジックに他ならない。夏感あるゆるりとした一体感をもたらす『Neighborhood』、脳内を占拠する『哀愁のチューン』で、あっという間の時間となった。スムースかつトリップ感満載のパフォーマンスで、まさにオンリーワンの魅力を提示した彼らに拍手!

M1 イントロ
M2 Daily a Life
M3 一丁あがり
M4 Set off the
M5 Move it
M6 ネバフ
M7 哀愁のチューン

Permanents

GRAPEVINEのボーカリスト・田中和将と、キーボーディスト・高野勲のふたりによるユニット、Permanents。鍵盤からこぼれ落ちるようなメロディを高野が奏でると、それを合図に『遠くの君へ』で、幕開けに。バンド・サウンドとはまた違い、絞った音数によって一層深まる世界感。続く『会いにいく』でも「丸腰でやります」とギターを置く田中は、その切々たる歌声で聴く者の心の奥底までえぐっていく。曲間のやさしいハミングも、何とも切ない。「(風で)いろんな音が鳴っていますね。パーカッションみたい」(田中)と語るように、強い風が一層ドラマティックさを増幅。魅入られるように聴き入る客席の姿が実に印象的だ。静謐かつ壮大な『Smalltown Superhero』を経て、いよいよクライマックスへと向かう中、「初めて観た人は度胆を抜かれるかも(笑)!」(田中)と歌い始めるは、何と矢野顕子『春咲小紅』のカバー! ギャップもさることながら、悠々と自らのものに取り込む手腕はさすがの一言だ。終始、新鮮な表情で魅せてくれた圧巻のひとときとなった。

M1 遠くの君へ
M2 会いにいく
M3 それでも
M4 smalltown,superhero
M5 小宇宙
M6 春咲小紅

STAYCOOL

フロム台湾の6ピース・バンド、STAYCOOLがオーラス前に登場。メンバーがステージに所狭しと並ぶ中、まずはどこか牧歌的な『Through the Viewfinder』を。グリーンのグラデーションが美しい景色に、ウィル(vo&g)の柔らかな歌声がとけ込み、自然と体もゆらゆら。さらに、軽やかながら厚みある『Urban Canyon』を奏で、会場はすっかりピースフルなムードで満タンだ。幸福感いっぱいに音を重ねていく『My Vintage Style』に、たおやかな『River』と、豊潤なサウンドメイクで曲ごとにその場の景色をも塗り替えていくよう。さらにはまばゆい音の洪水をもたらす『Marinate』、スタンリー(key&djembe)もスイートな歌声を聴かせてくれた『Way to the star』でステージを降りた彼ら。おしゃべりな楽器たちが奏でる、健やかな音世界は輝きと生命力で溢れている。「See you again!」と柔らかな笑顔をたたえて手をふる彼らに、客席は惜しみない賛辞を贈っていた。

M1 Through the Viewfinder
M2 Urban Canyon
M3 My Vintage Style
M4 River
M5 Distance
M6 Marinate
M7 Way to the star

Caravan

霧の深い景色を「これが安定の不安定な『ROKKO SUN』! ようこそ、天空のフェスティバルへ」と語るのは、初年度からの皆勤賞アーティスト・Caravanだ。2日間に渡るこのイベントにエンドマークを打てるのは、彼をおいて他にはいないだろう。まさにこの場にぴったりな1曲目『ハレルヤ』から、笑顔溢れる会場。拳を高らかに突き上げるCaravanの姿に、否応にも体温が上がっていく中、今年10周年を迎えたことにも言及してくれた。「ある人に“何事も10年続けられたらやっていると言える”と教えられて。僕もやっと音楽をやっていると言えそうです。近付いたと思ったら遠のく巡礼のような毎日でした」と続けたのは『サンティアゴの道』だ。自分の中の曇った鏡をキュッと拭き上げてくれるような心洗われる世界。Caravanの歌は、音は、何とまっすぐなことだろう。本編ラストを飾った『Soul Music』、さらにアンコールでの『Trippin' Life』と雨のあとの虹を思わせる晴れやかな大団円をもたらしてくれた。「(『ROKKOSUN MUSIC』を)ホームグラウンドだと思っています。また来年も遊べたらな。いろいろあるけどみんな元気で!」。再会の約束を残し、大喝采に包まれるエンディングとなった。

M1 ハレルヤ
M2 Folks
M3 La vida es corta
M4 光の舟に乗って
M5 サンティアゴの道
M6 Soul music
M7 Trippin’life


クロージングDJ

7組のステージが終幕を迎えた中、霧も薄まり少しずつ視界も開けてきた六甲山。この日の総仕上げを担うクロージングDJは、FM802の平野聡だ。金佑龍が歌う『ナイトクルージング』、birdによる『サマーヌード』のカバーと、静と動を行き来するサマー・チューンをチョイス。音のエンドロールが流れる中、ラスト『Rollin' Rollin'』(七尾旅人×やけのはら)で名残惜しそうに踊る泥だらけのオーディエンスの姿が、イベントの成功を物語る何よりの証拠だろう。緑溢れる六甲山でしか出会えない、豊かな音楽体験を贅沢に締めくくってくれた。

7/13 text by 後藤愛 photo by 渡邉 一生

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